巨大資本と政治


 近代政治の特徴というと、拙者は「巨大資本がその資本力で政治を牛耳るようになった」ことをあげる。
 巨大資本がより大きな収益を上げる為に政策に関与することを欲し、そのために政治家を篭絡したり、自らの利益代表を政界に送り込むなど、政界に多様な手段で関与しているのが現代の政治というものだ。
 政治家の方も巨大資本の利益代表となることで高額の報酬を受け取ることができ、それゆえ、より巨大資本の支援を受けやすい与党になることが政治家たちの目標となる。
 本来は「政策実現が目的で、政治家になるのはその為の手段」であるべきなのに、現実は「政治家になるのが目的で、政策は得票する為の手段」
 選挙において手段と目的が入れ替わっており、そこには理念など無い。
 そして、そのような理念無き政治家は出資者のいいなりとなり、政治が巨大資本の思うままに行われることとなる。

 これは勝手な推測ではない。現実を見れば、経団連が政策に対し非常に強い影響力を持っているのは確実だ。
 低賃金化・リストラによる人件費削減、消費税増税、大企業優遇税制など経団連の方針そのままに政策が実現されている。
 このような方針をみると、経団連は大企業による大企業のための組織なのだなとつくづく思う。

 経団連が強く推し進めようとしている外国人労働者雇用政策も人件費削減の手段であるのはほぼ確実だ。
 失業率をみれば判る通り、日本では労働人口が余っておる。労働人口が足りぬならともかく、現状での外国人労働者受け入れは必死に職を求める失業者達に死ねといっているようなものだ。
 さらなる賃金低下、失業率増加、自殺者増加を招くは必定。
 このような政策による人件費削減により企業の収益は短期的には増えるかもしれぬが、外国人労働者雇用による失業率増加や収入減少は内需の低下を招き長期的には国内需要のさらなる低下を招くであろう。
 そして使う者と使われる者の貧富の差が拡大し、一般的な国民生活はさらなる下落を迎えることとなる。
 誰にでも判る簡単な理屈だ。
 しかし、大企業がスポンサーであるマスメディアはそういう政策の負の側面を伝えぬ。いや、伝えることができぬ。マスメディアも広告費を収入源の一つとする営利企業だからだ。

 国民生活を護る為に、このような体制を変えるにはどのようにすれば良いのだろうか?
 選挙に積極的に参加し、政治家を入れ替えるというのも手段の一つではある。
 だが、それだけでは不十分だ。
 例えそのように入れ替えたとしても財界が政界に擦り寄れるような仕組みがある限り、いずれ再び政界が財界に飼い馴らされることとなる。結果的には首を挿げ替えただけとなるのが落ちだ。
 根本的にこの問題を解決する為には、政界と財界の繋がりを断つ為の様々な法整備が必要となる。
 例えば、政府からの公式な給付以外、あらゆる種類の政党や政治家への利益供与の禁止及びその徹底といったような。
 まあ、なんだ。政治家に公明正大さを求めるのであれば、国民の方から政治家に対しそのような法整備を行うように働きかけねばならぬという話でござる。

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