十一月二五日
十一月九日
十一月五日

二六六三年十一月二五日

 米国本土の石油可採年数はあと数年。それが米国が、侵略戦争という手段に訴えてでも、石油の確保を急ぐ理由というのが拙者の米国中東政策に対する持論でござる。
 米国の石油消費量は世界全体の消費量のおよそ四分の一。そのおよそ半分を国内産の石油で賄っておる。
 米国本土の油田が干上がることとなれば、それが世界全体の石油消費構造に与える影響は大きい。そして、それは米国への石油の供給を断つことで米国を追い込むことができることをも意味する。

 この条件下において、米国側と反米国側の勝利条件を考えてみよう。
 米国側の勝利条件は「あと数年のうちに(自国石油枯渇前に輸入により)自国の需要を満たせるだけの石油を確保できる体制を築くこと」となる。期間がかなり限られているので、国際社会を無視して形振り構わぬ様も当然だな。現代石油文明においては石油の確保は死活問題であるのだから。
 対して、反米国側の勝利条件だが、「米国の石油確保を妨害すること」となる。
 「米国に侵略地の石油を使わせないこと」というのは、そのための有効な手段の一つだ。
 つまりイラクの「テロリスト」(レジスタンスという方が正しかろう)がパイプラインを破壊するのも理に適っているということでござるな。(彼らが米国と利害を異にする国から隠密裏に支援を受けている可能性は高いと拙者は思う)
 産油国が石油取引をドルではなくユーロで行うようにするというのも、米国を追い込むのに有効な手段となる。そうなれば米国は石油輸入のために多額のユーロを準備することが必要となり、それがさらにドル安ユーロ高を加速し、その結果、石油輸入代価の高沸を招くという悪循環に米国を陥れることができるからでござる。このようにすれば、産油国は米国経済の破綻を加速することができ、「経済戦争」に勝利することができる。
 米国の侵略前にイラクは石油取引をユーロで行うようにしていたわけだが、案外こういう意図で「経済戦争」を仕掛けたのかもしれぬな。

 このように観ると、条件的には反米国側の方が有利のようだ。あと数年、米国の石油確保を妨害すれば米国側が自壊するのだから。米国がいかに強大な軍事力を持とうと、兵站が持たないようになれば軍を動かすことはできぬ。これではとても米国が確実な勝ち馬とは思えぬな。
 まあ、そうなる前に米国は方針転換し、国際協調への道を歩み、油乞い外交をせざるを得なくなると拙者は予想する。このまま力でごり押しして恨みを買いつづけるより現実的だからな。

 イラクやアフガンにおける激しい外国勢力への攻撃についてだが、侵略を排除するためには「侵略が割に合わない」ということを激しい抵抗で示す必要があるということは、古来からの常識なので詳しく語る必要はあるまい。

 なに、トンデモだと?ここは元からそのような所でござるよ。何を言っているのだか。

二六六三年十一月九日

 投票率のあまりの低さにがっかりでござるよ。

二六六三年十一月五日

 政治腐敗の原因の一つに組織票がある。その有効性を下げるためには多くの有権者が権利放棄せずに投票することが必要だ。
 投票しないこと、白票などの無効票を投じることは、組織票を持つ者に有利に働くだけ。そして、それは特定の組織の政治への影響力を増すことにつながる。
 より多くの国民の意思を政治に反映するためには、一人一人の有権者が投票所に足を運ぶことが必要ということだ。
 投票したい候補がいないなら、せめてましな候補。それすらいないなら当選させたくない候補の対立候補に投票すること。そういうことが組織票の有効性を低くすることに効果を発揮する。
 来る十一月九日は選挙の投票日。投票率が少しでも上がればと思う。

 拙者は民主党に投票する予定だが、その判断の拠り所となる拙者なりの現状認識について語ろう。
 まず、国家安全保障。
 日本は自衛戦争すら放棄した憲法九条と日米安保条約によって国家安全保障を米国に依存している。
 そのため日本は米国の外圧に弱い。防衛を米国に依存している限り、たとえ内心米国に反感を持つ人物が指導者となったとしても米国に従わざるを得ない部分があるからだ。
 日本を独自の外交が行える真の独立国とするためには、自衛戦争を行えるようにするための憲法改正、その目的に沿った自衛力の整備と有事体制の確立、それらに伴って日米安保条約を改正もしくは破棄することなどが必要となる。
 これは米軍の日本からの撤退に伴う軍事的空白を日本が埋めるという覚悟が必要な道だが、東南アジアと積極的に協力などすれば十分達成可能な目標と拙者は考える。
 例え米軍が米国の都合で日本に駐留しているとしても、米国に国家安全保障を依存している限り日本の政策に米国が強い影響力を持つことは避けられない。真の意味で平和外交を行うにしても、米国に忠告の行える真の米国との友好関係を築くにしても、この根本的な原因の解決が必要だ。
 次に社会保障。
 現在の年金制度は税とは別の保険料を財源としているが、この仕組みでは徴収面や財源としての機能に問題があり、将来の破綻が予測される。
 年金は欧州のように全額税収からの国庫負担とすべきと拙者は考える。ただ、国庫負担にするにしても消費税を充てるのは問題がある。
 社会保障はもともと弱者救済のためのシステム。その社会保障に経済的弱者の負担が大きい消費税を充てることは社会保障本来の理念に反する。
 以上の現状認識をもとに政権公約から投票する政党を選ぶとすると、国家安全保障においては民主党が、社会保障においては共産党が、拙者基準での評価が高くなる。(イラクへの自衛隊派遣に反対姿勢なのも良い。現状、イラクへの自衛隊派遣は日本の侵略戦争への荷担を意味し、中東や欧州などにおける日本の評価を下げるだけだ)
 拙者としては現状では国家安全保障の方を優先するので、投票するのは民主党になるということだな。

 正直いうと民主党を構成する政治家にはあまり期待していない。
 彼らの中には自民党と同じ穴のむじなのような連中も多い。
 ただ自民党と比較して官僚出身者が少なく財界との関係も薄いことは評価できる。これは民主党の方が脱官僚政治、脱財閥支配といった真の構造改革を達成できる可能性が高いということを意味するからだ。
 仮にそれが結果的に米国のとある派閥の意図するところに荷担することになるとしても、拙者は現時点では民主党を支持する。
 望みの選択が無い以上、せめてマシな選択をせねばならぬからな。

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