エナメル塗料の浸透性とパーツの劣化

 皆さんには、エナメル系塗料で模型に墨入れやウォッシングを行った際、プラスチック製のパーツが割れたり砕けたりした経験はないでしょうか。
 特にパーツをたわめてはめ込んだ部分や関節など力のかかる場所が。
 これはエナメル系塗料がその浸透性でプラスチックに染み込み、パーツを脆くするために発生する現象です。
 その状態は水を吸った紙によく似ています。
 水は紙を即座に溶かしたりはしませんが、水を吸った紙は破れやすくなり、乾燥させれば再び強度を取り戻します。
 同じようにエナメル溶剤を吸ったプラスチックは脆くなり、乾燥させれば強度はかなり回復します。
 ここからわかる、エナメル塗料を使用することによるパーツの破損への対策は、以下の二つです。

 対策は他にもあります。
 模型をラッカー系塗料で塗装するか、墨入れなどを行う前に、ラッカー系のクリアをトップコートに吹くことです。
 エナメル系塗料はラッカー系塗料を溶かしません。
 つまりラッカー系塗料で表面をコートしてやれば、プラスチックはエナメル溶剤に侵され難くなるというわけです。

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